V for Vendetta (2005)
第三次世界大戦の後,イギリスではファシズム国家が形成され,夜間外出禁止やメディアの検閲が行われていた.
国営放送で働くイヴィーは外出禁止を破り夜に外出をするが,秘密警察に捕まってしまう.そこに一人の男がやってくる.彼は黒い帽子,黒いマント,黒い手袋,全身黒づくめで,顔にはガイ・フォークス*1のマスクをかぶっていた.彼は剣で秘密警察を倒し,イヴィーを救い出す.彼の名前は"V" V for Vendetta. (血の復讐のためのV)
"STRENGTH THROUGH UNITY UNITY THROUGH STRENGTH"
忠誠による団結を
町中に貼られたポスターをVは「V」の字に切りつけ,彼女を連れてある建物へと向かった.
その日は11月5日であった.
「思い出せ11月5日の出来事を.火薬陰謀事件と反逆を.忘れることは許されぬ.」
そう呟くと,Vは指揮を構え,町中のスピーカーからチャイコフスキー 序曲「1812」を流す.
誰もいない静寂の夜に突如流れ始めた音楽に,市民たちは窓から顔を出す.と同時に,Vは裁判所を爆破した.
しかし翌日,爆破テロは「裁判所の解体を祝うもの」であったという「事実」(プロパガンダ)が公営放送で報じられた.市民が皆放送を見ている中,急に画面が黒くなり,砂嵐が流れ,Vが映し出された.
「政府が許されると思うなら11月5日は忘れてもよい.ただ,私と同じように感じ,立ち上がるのならば,1年後に国会議事堂の前に集おう.」
放送が終わると警察に取り囲まれるが,イヴィーと切り抜けることができた.イヴィーは気を失っていたが,起きるとそこはVの隠れ家だった......
Vは政府関係者を襲っていった.画面いっぱいに大声で「事実」を語る名物キャスター,司教,検視官.その遺体には赤いバラが添えられていた.
事件を追う警察官は,キャスターの過去や,壮絶な事実が記された赤い日記に,政府に対する疑念を抱き始める.
イヴィーはVの奇行に耐え切れず,上司のゴードンのもとへ駆け込む.彼はVの行動に共感し,検閲をかいくぐり政府を風刺した番組を放映した.市民は大変喜んだが,ゴードンも政府から目をつけられた.彼は禁止されている宗教の資料を所持し,さらに同性愛者であったことで,警察に捕らえられてしまう.同時にイヴィーも見つかり,投獄される.
イヴィーは髪を剃られ,食事もろくに与えられず厳しい日々を送っていたが,頑なにVの居場所を言おうとはしなかった.処刑される直前までも結局口を割らず,処刑台に向かうがそこはVの隠れ家であった.彼女は混乱しつつもVを理解し,次の11月5日の前に会おうと約束した.町に張られた政府のポスターにはVの象徴である「V」のマークが赤いスプレーで刻まれていた.
11月4日,ガイ;フォークスの仮面とマントが市民に届けられた.政府は国家の危機として市民を混乱させ,政府の必要性を説こうとしていた.
イヴィーはついにVに会いに行った.
" A revolution without dancing is a revolution not worth having"
「ダンスのない革命は,革命に値しない.」
二人はダンスを踊った.
11月5日,あるきっかけによって市民が仮面をつけて国会議事堂に集まり始めた.
Vは政府関係者に取り囲まれ銃口を向けられる.Vは剣を持って一人で立ち向かった.
Vは政府関係者に勝ったが,銃創が致命傷となり,息絶え絶えでイヴィーの待つ地下鉄に急ぐ.
"Ideas are bukketproof"
理念は決して死なない
Vが長年かけて準備した国会へと続く線路と,火薬を乗せた電車に赤いバラとともにVを横たえ,イヴィー出発のレバーを押した.
古い世界は今夜終焉を迎え,新しい世代へと引き継がれていく.
Vを乗せた電車は国会議事堂で大きな花火とともに爆発した.
チャイコフスキー 序曲「1812」を奏でながら.
"Tell me , Do you like music?"
核心部分はあえて書かなかったので,ぜひ映画を見てみてください.
なんだかデジャヴを感じるのは私だけ?