- intro. The Story
- 1. ATEEZの世界観
- 2. 2つの世界
- 3. 相関図・重要なアイテムと概念
- 4. 彼らの過去
- 5. あらすじ:Treasure
- 6. あらすじ:The World
- 7. あらすじ:Golden Hour
- 8. 時間軸と彼らの行動
- outro. BAD
intro. The Story
"The universe is divided into many dimensions."
"This is the story where their dimensions are split into eight pieces again"
この世界はいくつもの次元に分かれている
これはそれらの次元が再び8つに分かれる物語である.

1. ATEEZの世界観
8人組ボーイズグループATEEZ
海賊王(Pirate King)でデビューし,リーダーをキャプテンと呼ぶ海賊コンセプトで一線を画しているグループとして知られていますが,一方でデビュー時から一貫して存在する物語に沿って,脈々とコンテンツがリリースされています.
世界観とは
1 世界およびその中で生きている人間に対して、人間のありかたという点からみた統一的な解釈、意義づけ。知的なものにとどまらず、情意的な評価が加わり、人生観よりも含むものが大きい。2 俗に、文学・音楽などで、その作品がもつ雰囲気や状況設定。(デジタル大辞泉)
大きな物語が断片的に語られているが故に,手を出しにくい,捉えにくいかもしれない,そんなATEEZの大きな世界観とストーリーを掴んでみると,mvやステージのなかにそのストーリーの破片がすこしずつ浮かび上がってきます.
そんなATEEZの物語を一言で表すと,
8人の青年が暗黒世界でATEEZという名前とともに大義名分を果たす、波瀾万丈な旅と彼ら自身の物語。
すごく大まかなストーリーは
起 :8人の人生それぞれの葛藤と彼らの出会い
承 :暗黒世界での旅路
転 :暗黒世界で8人で起こす革命
結 :暗黒世界の人々の選択
........
起' :その後の8人の人生
承' :この世界に戻ってきた8人の葛藤
転' :この世界で異常が発生
………to be continued...(?)
であり、
そしてATEEZの世界観は,
あるアイテムを使うことで2つの全く異なる並行世界を行き来することができる
あるアイテムには人々の感情を支配する効果がある
ことが大きなカギとなっています.
主人公となる8人は現在"ATEEZ"として活動している8人であり,その8人の姿かたち以外はフィクションであると思ってもらえばわかりやすいでしょう.
ATEEZのこれまでの活動は,アルバムシリーズ TREASURE / ZERO: FEVER / THE WORLD / GOLDEN HOUR の4章,計16作品から構成されています.

シリーズ2作目のZERO: FEVERにおいて公開されたDiary filmを皮切りに,アルバムの一形態"Diary Ver."に付属される一人称の日記形式の物語を通して,明示的に「ATEEZの物語」が展開されています.
※なおDiary Verや物語が明示的に語られる前にリリースされた作品にももちろん大きくその物語の要素が含まれていました
ここで注意するべきは,MVやDiaryから断片的に紡がれるストーリーは必ずしも時系列順とは限らず,時系列は
ZERO:FEVER(2作目)→TREASURE(1作目)→THE WORLD(3作目)→GOLDEN HOUR(4作目)
のようであるということです.
2. 2つの世界
物語には大きく二つの世界(時空間)が存在し,この世界が深く彼らの冒険に関わっていきます.
・A世界
8人が生まれ育った世界.基本的にはこの世界と同じ.

・Z世界
"Z"という支配者が独裁している所謂ディストピア.
科学技術の進歩により人間の平均寿命が200歳まで延び,40年間の義務教育によってZ世界での原理原則を学ぶ.中央政府は理想郷を作るため人々をコントロールしようとしていた.統制のための重要な要素として,人間の感情を制御するために芸術を禁止し,感情によるエネルギーを取引できるようなシステムを構築していくうちに,人間の感情や感性は失われていった.中央政府の強力な統制政策により,経済は大きく成長し,効率や理論が優先される世界となった.[FEVER]
そんな世界の象徴である支配者Zの声が,町中のスピーカーを通していつでも聞こえる,綺麗で整った世界.人々は耳の下にチップを埋め込まれ,鏡や窓は自己認識を高めるとされて撤去された.太陽光を遮断するようにドームが建てられ,地区間さえも管理されていた.[The World]

3. 相関図・重要なアイテムと概念
ここでは,この物語の相関図と重要人物・重要アイテムを紹介します.
[注意]ストーリーを読み解いていった先に浮かび上がる関係性のため,ネタバレを多分に含んでいます.
相関図

各登場人物たちは先述した2つの世界のなかでこのように複雑な関係性を持っています.実際には物語形式で関係性が語られてます.物語の詳細はDiary本文やあらすじをご覧ください.
〇Black Fedora
各地でパフォーマンスを行い,人々の感情を刺激していった.中央政府の政策に反するため指名手配されるがクローマーを用いて逃げ回った.ATEEZと同じ顔をしており,黒い帽子に黒いマスクとスーツを着用.'Black Fedora'とは黒い中折れ帽子のこと.

〇Black Pirates
Black Fedoraに感情を刺激され,中央政府に抵抗するようになった人々で構成された組織.
〇Z
Z世界の象徴であり指導者.彼の所在は政府のトップしか知らない機密事項.

〇アンドロイドガーディアン
顔を完全にマスクで覆った白装束の巨人.中央政府が作った新型の守衛.ATEEZを追う.

〇少年
プレステージ学園の制服を着た男の子.ある日地下アジトにやってきた.

〇プレステージ学園
最高の学校と呼ばれている場所.40年の義務教育を終えるために必要な最終試験には感情の試験もあり,不合格の場合はガーディアンアイランドに送られる.
〇サイエンサルバー
1999年に科学者のヘンリージョーによって設立された新しい宗教.
この宗教では人間はエネルギーの集合体であり,不確実な将来への悩みは科学によって解決されると信じられている.ジョーは公式声明の中で砂時計の形をしたマヤ文明の中に凝縮されたエネルギーが人類を救う鍵になるだろうと述べている.
重要なアイテム・概念
☆クローマー
各世界に1個ずつ存在しているらしい.この砂時計を回すことで,世界の行き来と空間上の移動ができる.

☆ソプル
持つ者の感情を周りに同期させる効果がある赤い石.

〇マヤの遺物
月の動きを模した砂時計の骨董.特殊な金属工学の技術で加工され,儀式に用いられていたという定説がある.【A】の国立博物館のマヤ文明展で展示され,一度サイエンサルバーという宗教の信者によって窃盗未遂が起こった.
〇フライヤー
【Z】にて,ATEEZたちによって人々の目を覚ますために世界の異常性を訴えるビラが撒かれる.

〇チップ
【Z】の人々の耳に埋め込まれた,黄色くライトが光るチップ.

〇アナキズム
国家権力や宗教など一切の政治的権威と権力を否定し,自由な諸個人の合意のもとに個人の自由が重視される社会を運営していくことを理想とする思想.(Wikipedia)
黒い旗をアナキズムの象徴とし,円の中にAを配したマークを掲げる.

〇ディストピア
反理想郷,暗黒世界.産業革命後に発達した機械文明の反人間的な側面が強調されて描きだされた未来社会像.平等で秩序正しく,貧困や紛争もない理想的な社会に見えるが,実態は徹底的な管理,統制が行われ,人としての尊厳や人間性がどこかで否定されている特徴を持つ.(Wikipedia)
ディストピアはプロパガンダにより理想郷として描かれることがある.
〇プロパガンダ
特定の思想,世論,意識,行動へ誘導する意図を持った行為のこと
※これらは概念として実際に存在していますが,ここで示されている物語は全てフィクションです
〇モールス信号
電信で用いられる符号化された文字コードのこと.「・」と「ー」を組み合わせて文字を表現する.電鍵を用いた無線通信に加え,音響や発光信号でも通信に活用される.
例)・ー ー ・ ・ ーー・・
ATEEZの様々なコンテンツ内に普通にモールス信号が出てきたりします
4. 彼らの過去
※フィクションです
*Hongjoong

家族が散り散りになった.もし有名になったら彼らは僕に気づくだろうか.一緒に音楽をしていて出会ったメンバーたち.家族,音楽,僕らの夢,それらを守らなくては.まるで存在していなかったかのように,忘れられたくない.
*Seonghwa

音楽に合わせて踊っていた彼女,名前も知らない彼女の余韻だけを追いかけている.自由への執念.
*Yunho

交通事故で兄を亡くした.兄が大切にしてきたギター,兄の音楽の夢を僕とメンバーでかなえてみせる.バイク乗り.
*Yeosang

親の敷いたまっすぐのレールの上を毎日走っている.まるで鳥かごの中の鳥のように.ある日,道に迷った先で聞こえてきた音楽に誘われてメンバーたちと出会った.僕だけが歩いてきた道がだんだんと'僕たち'の道になった.ある日父が倉庫からメンバーたちを追い出した.僕さえいなくなれば元通りになるんだ.
機械に精通,ドローンを使える.
*San

人と親しくなるたびに転校で離れなくてはならなかった.どうしても心を開けなかった.やっと居場所を見つけたのに(メンバー)離れるのか.ウヨンに何と言えば良いだろうか.
*Mingi

音楽は僕の避難所で逃げ場で,唯一の救いだった.貧しい生活の中,いつも一人の自分に話しかけてくれたウヨンは,初めて心を開いた人.唯一の家族である祖母が倒れ,メンバーと楽しく過ごしている自分に罪悪感が沸いた.本当に夢を持って良いのだろうか.
*Wooyoung

ダンスには自信があるのに,視線を感じると体が動かなくなる.舞台恐怖症を克服するためによくおしゃべりをし,シャイなのを隠すためによく笑う癖がある.メンバーたちと踊ると,気負うことなく最高のパフォーマンスができる.
*Jongho

バスケで全国大会優勝....それだけしか考えていなかったが,怪我で諦めるしかなかった.諦めた瞬間,自分の中ですべてのものが死んでしまったも同然だった.メンバーと出会い,また歩き始めた.
[Fever Part.1]
ここからは,Diaryの発表順にあらすじを示していきます.
※先述の通り引用しているMVの公開順はこの通りではありません.
※原文は韓国語・英語により書かれています.あくまであらすじとして抜粋してまとめています.
5. あらすじ:Treasure
荒れ果てた倉庫,僕らだけの空間,笑ったり,泣いたり,喧嘩したり,踊ったり,歌ったり,大人の世界から切り離された僕たちが一緒に夢を叶える空間,僕らの世界.今,僕らがその扉を開ける その瞬間だ.【A】
倉庫に集まってステージを夢見て日々を過ごしていた8人,ある日ミンギが辞めたいと言い出したことでジョンホは思わず手を出してしまった.喧嘩が起こり,さらに倉庫を追い出された彼らはバラバラになった.
お互いのことを忘れていったある夏の日,ホンジュンは夢の中で黒い帽子の男を見た.彼の目はどこか見たことのある目をしていた.「今見ている世界がすべてだという考えを捨てろ」「世界を繋ぐ鍵だ」という言葉とともにクローマーを渡され,ホンジュンと同じ顔をした黒い帽子の彼は「心のままに,地図はそこにある」と言って消えた.
目覚めると,夢の中で見たクローマーがそこに存在していた.クローマーを回してみると砂時計の砂が逆流し始め,メンバーが困惑した面持ちで集まってきた.
気がつくとそこは別世界,「Z世界」だった.[Fever Part.1]
突然マスクで顔を覆った白い巨人(アンドロイドガーディアン)に襲われ,ウヨンはクローマーを奪われた.怪我をしたウヨンを救ってくれたのは月の光がよく似合う少女だった.彼女とその弟はグライムズ姉弟といった.彼らにこのZ世界のことを教えてもらった8人は,ガーディアンのアジトを知っているレフトアイという長老と知り合い,ガーディアンのアジトがある島へと向かった.
ガーディアンのアジトはまるで美術館のような空間だった.

ATEEZ(에이티즈) - 'Say My Name' Official MV - YouTube
展示室に入って行くと,床に横たわるガーディアンの先に,ガラスの牢獄があった.その中に捕らわれていたのは,立つのがやっとなほど疲れ果てた8人の黒い帽子の男たちだった.彼ら,"Black Fedora"はすでにガーディアンに捕まっていた.その男たちはホンジュンが夢の中で見た姿だった.ガラスの中の男がマスクを外すと,その男たちは8人と全く同じ顔をしていた.困惑しながらも言われた通りガラスの壁に手を付けると,知らぬ間にATEEZたちもまた,彼らと同じスーツを纏っていた.

ATEEZ(에이티즈) - ‘HALA HALA (Hearts Awakened, Live Alive)’ Official MV (Performance ver.) - YouTube
広場に目をやると,ガーディアンたちが人々の記憶を燃やし,立ち込める黄色い煙に陶酔していた.ヨサンは一人でクローマーを取り返すことに成功したが,ガーディアンに気づかれ人質にされてしまった.クローマーと引き換えにヨサンを救おうとした7人だったが,ヨサンは7人がガーディアンのもとに投げたクローマーを奪い取ると迷うことなくそれを回した.ガーディアンの追手に気付いたヨサンは掴んでいたクローマーをその場に叩きつけ,割った.ホンジュンは必死にヨサンの手を掴もうと手を伸ばしたが――.
始まりにいた倉庫に戻ってきた彼らは,7人になっていることに気づいた.そこにはヨサンだけがいなかった.
[Fever Part2.3]

ATEEZ(에이티즈) - ‘Deja Vu’ Official MV - YouTube
元の世界に戻ってきた7人だったが一つだけ異変が起きていた.彼らは,わずかに過去の時間に戻ってきていたのだ.ユノの兄が亡くなるよりも前に.戻ってから1週間が経った頃,「国立中央博物館でマヤ遺品の窃盗未遂事件が起きた」という記事を見つけた.その遺品の写真は紛れもなくクローマーによく似ており,手に入れられないかと画策し始める.しかしユノは,亡くなる前に戻った兄と過ごしたいと本音を漏らした.メンバーたちはそれぞれ複雑な感情を抱きながらも,ユノの選択を尊重することにした.
ユノと(Z世界に取り残された)ヨサンを除く6人は国立中央博物館からクローマーを盗み出す計画を実行に移す.博物館の前でタイミングを窺っていると,赤い服を着た人々と黒い作業着の男が現れた.そしてその手にはクローマーが握られていた.黒い服の男は科学者ヘンリー・ジョーであり,赤い服の人々は新興宗教「サイエンサルバー」の信者たちだった.6人は信者の中に紛れてヘンリー・ジョーに近づいたが,その時彼がウヨンの喉元に刃物を突き付けた.
そうして人質となってしまった6人がテレビカメラに映る.兄と一緒にテレビを見ていたユノは驚き,兄に外に出ないよう伝えてから仲間とバイクで飛び出した.博物館に着いた6台のバイクによって巻き起こった混乱の隙に,ウヨンはクローマーを奪い取り,6人それぞれがバイクに乗って逃げ出した.喜びも束の間,ヘンリー・ジョーの車が追ってくるのが見えた.バイクを襲った車はその勢いのまま歩行者を撥ね飛ばしていったが.そしてその犠牲者の中にユノの兄の姿があった.兄は,自分が亡くなったという未来があったこと,今がまさにその[5:07]が迫っていることを知ってしまっていた.テレビのニュースに映し出されたユノのバイクを見た兄は,弟の身を案じてこの場所へと駆け付け,そして身代わりとなるように倒れ,意識を失った.
ユノは咽び泣き,叫んだ.
「クローマーを回せ」
ガラスの部屋にどのくらいいたのだろう,光のないこの空間にいるのはヨサンにとって永遠に感じられた.

突然,久しぶりに見る光とともに黒い帽子の男たちがガーディアンと闘っているのが見えた.自分の名前を呼ぶ声に顔を上げると,それはソンファだった.
"・・・ ・- -・-- -- -・-- -・ ・- -- ・
・- - ・ ・ --・・"
地下アジトで受信された信号,そこにはこう書かれていた.
"SAY MY NAME ATEEZ"
[Fever EPILOGUE]
6. あらすじ:The World
"Z"によって統制されたディストピアのZ世界.人々の感情がないことが理想とされる世界で,8人は"ATEEZ"という名で市民たちの目を覚まそうと奮闘していた.町中にスピーカーで大音量の曲を流しながらパフォーマンスをしたり,世界の異常性を訴えるフライヤーを撒いたりして市民に訴えた.人々の耳の下には政府が管理する小型のチップが埋め込まれていたが,ATEEZの活動によって自らそのチップを外し,人間らしい感情を取り戻す人々も現れ始めた.
ある日,ATEEZのアジトに一人の少年が駆け込んできた.彼はチップを外して感情を取り戻し,その後に観た学校や世界がこんなにも殺風景で暴力的なのかと気づいた.同じく感情を持った兄がガーディアンアイランドに拉致され処分されることを恐れた少年は,必死でATEEZのアジトを探したのだ.
ATEEZは活動を進めるため,そして彼の兄を助けるため,最も秀でた才能の持ち主たちが通うことができ,政府機関で働く教育と訓練の場である「プレステージ学園」へ潜入することを決めた.
[The World : MOVEMENT]
8人はプレステージ学園に警備員として潜入した.少年の兄に接触したヨサンとソンファは彼をトイレに連れ出し,状況を説明した.感情の覚醒を受け入れられない兄は混乱していた.
「混沌や痛み,それらは必ずしも悪いものではない.君が前に進むには感じる必要があり,それは多くの人が経験することだ.それが成長というものだ.はっきりしていることは,痛みを通して成長するという感覚は君にとって新しい貴重な経験だということ.それは誰にとっても同じなんだ.」
その言葉に兄が落ち着き始めたとき,トイレの扉が強く叩かれた.ドアを開くと,そこには”Thunder”がいた.学園のエリートでZに最も忠誠を示すグループである.リーダーの女子生徒を見たソンファは動揺した.彼女は,A世界にいた際に悩むソンファの夢の中で自由に踊っていたあの少女と同じ顔だったのだ.しかし,感情を見せることはこの世界で反逆者と言っているようなものだ.ソンファの動揺を感じたヨサンがその場を何とか切り抜け,そしてソンファは女子生徒をこの世界から救うことを決心したのだった.
ついに8人がプレステージ学園の目を覚まそうと準備を始めたその時,校舎を見上げると,感情を取り戻した少年の兄が校舎の最上階の窓枠に立っていた.
兄「卒業まであと1日,そうすれば40年の学園生活が終わる.それなのにあなたたちが僕と弟に影響を与えたんだ.僕の人生は台無しだ!!僕はみんなと違う人生を歩みたくないんだ!!」
兄が絶望の声をあげる中,見下ろす地上では弟のもとにガーディアンが迫っていた.兄はその光景に動揺し足を滑らせ落下しそうになったが,ユノがクローマーを使って兄を助け,弟のもとへ降り立った.(※クローマーには同じ世界内で瞬間移動をする能力も備わっている) 兄弟は抱き合った.彼らはようやく,互いを通して,安心感,愛,そして人生と名何かを切実に感じた.
騒動にガーディアンたちが駆け付けたが,ATEEZはクローマーを駆使して持ち場に散らばった.拡声器の音とともに,グルーヴィーな音楽が流れ,同時に黒いテントが建物を覆った.そして,カラフルなネオンの光が現れ,華麗なファンタジーの世界が広がった.生徒たちは一人ひとりそれぞれの耳の下のチップを外し,感情を取り戻していった.ガーディアンたちは覚醒した人々を捕まえ始め,逃れるためにみんな必死に逃げた.ガーディアンに捕まってしまった少年を追いかけるソンファの腕をあの少女が掴んだ.そして二人は煙の中に消えていった.
[The World : OUTLAW]
時がたち,感情を持ってしまった者たちの落書きが街にあふれる.政府はパフォーマンスを行ったブラックパイレーツを指名手配し,街中にはATEEZのメンバーの顔が入った指名手配ポスターがあちらこちらに貼られた.感情を持った者たちは政府たちに捕まると処分場に送られるのを待たず,街中で即座に処刑されてしまうようになった.

あの日消えたソンファがアジトに戻ってきた.彼曰く,ThunderはZの情報を持っていた.8人はその情報をもとに,捕まってしまった少年を救うために処分場へ向かった.
処分場でガーディアンと戦っていたホンジュン達だったが,武器を持っているガーディアンたちに太刀打ちできず包囲されてしまった.一方でソンファ達はクローマーを持ち,処分場から捕らわれた人々をアジトへ運んでいたが,急にガーディアンが襲ってきた.包囲されたメンバーを救うためにはそのクローマーが必要だったため,何とかすぐに片付けようとするも圧倒的な武力の前に倒れてしまう.その時,仮面をかぶった何者かがやってきてガーディアンを攻撃し始めた.その隙にソンファ達は窮地を脱し処分場に向かうことができた.
処分場では少年が高温の焼却炉の上で人質にされていた.人質を利用してガーディアンたちはATEEZ8人を捕らえ,クローマーも手に入れることができた.すると,ガーディアンのリーダーは少年を無傷のまま処刑台から降ろした.少年は言った.
「これで僕の役目は終わりですか?」
少年は,感情に目覚めてしまったこととそれによって処刑されてしまうという恐怖から,兄を救うためZにブラックパイレーツのアジトを教える代わりに処刑を免れようとしていたのだ.少年の兄と8人は激しく動揺した.兄が少年を説得しようとするも少年は悲しそうな顔を向けるだけだった.誰もが間違いを犯しながらも生きている.次のチャンスでそれを好転させるか,間違った選択でその過ちを覆い隠すのか,それによって人生は大きく変わる.メンバーたちは誰よりもそれを知っていた.少年が兄に向って歩き出そうとしたとき,ガーディアンは兄を捕まえ処刑台に落とした.少年も兄につられて処刑台に飛び込む.ATEEZのメンバーたちはその隙に何とかクローマーを取り戻し,クローマーを使って少年たちを救おうとしたが....
兄は焼却炉へと落ちていった.
あの時アジトを救ってくれたのはThunderだった.彼らの本拠地は8人が初めてZ世界に来た時に目にしたことのある場所らしい.Thunderの少女はZ世界のエリートとしてキャリアを積めば,いつかZに会えると信じて活動していた.実は彼女もまた,芸術をを楽しめる世界に生きたかった一人だった.
そして,圧倒的な優等生であった彼女は,政府に認められZの外交官に任命された.
Z「それで,感情を持ったものたちについてどう思うか?」
彼女は冷たい顔で答えた.
彼女「彼らは必要のない不純物です.」
FIN.
[The World:WILL]

7. あらすじ:Golden Hour
赤い月が昇った後
Zの失踪の後,Z世界でATEEZを知らない者はいなかった.人々は感情の支配から自由になろうとするものと,支配下でいようとする者の二つの派閥に分かれた.ブラックパイレーツとThunderたちはこの二つの派閥が共存していけるように秩序を築いた.この世界はこの世界を愛して大切にする人々に託され,8人は元の世界に戻った.ともに戦った記憶をここをに残し,もう一度8人は一緒に夢を見ることにした.
それから3年たち,8人は思い描いた夢とは違う人生を歩んでいた.
貯金を持ち寄って練習室を借り,8人で歌い踊り夢を目指していた.しかし夢を見るにはお金が必要で,生活のためにも働く必要がある.彼らが練習室に集まる日々は少なくなり,メンバーもまばらになっていった.
8人は自分の経験からそれぞれの道を歩み始めた.ホンジュンは作家,ソンファは消防士,ユノは歌手,ヨサンは投資家,サンは屋台,ミンギはモデル,ウヨンは客室乗務員,ジョンホはアイドルのプロデューサー.葛藤を抱えながらもそれぞれの道でキャリアを積んでいった.
夢に向かって無謀にも情熱的に走り続けたあの頃,だれにも認められることなくただ楽しければ十分だったあの頃を思い返しながらも,バラバラに現実の中を生きる8人の心の中には,本当にこれが望んでいたことなのか?という虚無感が残ったままだった.
[GOLDEN HOUR Part.1]
客室乗務員2年目のウヨンはドバイ発仁川行の飛行機内で安全アナウンスを音楽に合わせてパフォーマンスをしていた.三年前,メンバーとともに黒い帽子を被ってパフォーマンスしていたあの頃を思い出しながら,ステージへの想いを再熱させていた.機内は万雷の拍手と歓声に包まれた.そこに見慣れた顔,クローマーへの興味から考古学を学び始めたユノと,ドバイでのファッションショー帰りのミンギだった.ウヨンが歌い踊る姿に,8人で過ごしていた頃を思い出し,彼らは胸の奥にしまっていた互いへの想いをそっと癒していった.
その頃,ジョンホがプロデュースする新人アイドルたちが感情をぶつけ合っていた.デビュー以来蓄積してきた互いへの鬱憤が爆発し,激しい言い争いへと発展した.ジョンホは自分と重ね合わせながら,チャンスを失いたくない者や,俳優を目指していたがアイドルの道に足を踏み入れた者の苦しみや不安を察した.彼らの姿に他のメンバーとの日々を思い出さずにはいられなかった.その時,ボヤ騒ぎが発生し駆け付けたのはソンファだった.消防士となったソンファは,Z世界で助けられなかった人々への後悔を胸に,人を救うということが自分の苦しみから抜け出せることにつながると実感していた.ソンファと再会したジョンホの顔は,ソンファが知っているマンネの姿に戻っていた.
街の中心から遠く離れた別荘では8人の男たちがくつろいでいた.ホンジュンが彼らの本当の冒険をもとにして書いた小説の第二巻発売の記念パーティーとして,8人はまた再会した.別荘にはヨサンが持ち帰った割れたクローマーの残骸が修復されて芸術作品のように展示されているその隣に,レフトアイがくれたルビー色の石があった.ヨサンが皆に知られずに持ち帰ったものだったそれは,ソプル(ポルトガル語で息の意味)といった.8人が揃い,Z世界での思い出話に花を咲かせていたが,それぞれがZ世界の"ATEEZ"の余韻が消えてA世界で普通の人間として生きているその変化を痛いほどに感じていた.
ウヨン「もう一回だけ,やってみないか?」
その言葉に,もう一度夢を追いたい者もいた.しかしヨサンはその逆であった.夢を追いかけることが美しいというのならば,それ以外の選択が敗北のように感じられる,そんな盲目の罠にはまってしまうのか.Z世界で学んだことは,ヒーローになれることではなく,感情や芸術,夢や希望の大切さ,そして,盲信することの怖さであったのではないか.
言い合いの末,ウヨンは他のメンバーを見渡したがだれ一人として彼の視線に答える者はいなかった.まるで,自分だけが長いトンネルの中に取り残され,向こう側からなんでまだそこにいるんだ?とメンバーに振り返られているかのようだ.どんよりとした夜空にも覗く星の光にZ世界を重ねていたその時,雲の合間から赤く輝く光が見えた.ウヨンの脳裏にあのルビー色の石の姿が蘇った.
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「ソプルは持つ者の感情を,そのものの周囲にいる息をする者たちと同期させる,ある種の魔法の精霊だ.伝説によると,ハラジアの4人の守護者のうちの一人がハラジアの息吹を集めて作りだしたらしい」
レフトアイはソプルを丁寧に持ちながら言った.
「本当に危険かもしれない,これは最後の手段として使おう」

- YouTube (SPIN OFF: FROM THE WITNESS Epilogue)

- YouTube ("HALAZIA" Official MV)
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静かに別荘に戻ってきたウヨンは古い戸棚の前に立ち,ソプルを手に取った.その石を強く握りしめ,胸に手を当てた彼は心から祈った.「まるで皆が"幸せだったころ"を忘れてしまったみたいだ.あの頃みたいにもう一度僕たちの情熱に火をつけて,また一緒に笑えるようにしてくれ」
彼の指の隙間から赤い光がこぼれ出し,ルビー色のオーロラが暗い部屋に広がり始めた.
[GOLDEN HOUR Part.2]

私は生きている.
だが,私はどこから来たのか,私は誰なのか,私は何なのか.
それが突然,ついに世界が変化し始めた.前触れもなく果てしない光が降り注ぎ,私はそれに飲み込まれた.
意識を取り戻した時,私は肉体を持っていた.歓びを感じた.生まれてはじめての歓びだ.何でもできる気がした.
ウヨンは穏やかな朝を迎えた.これほどさわやかな朝はいつぶりだろうか.
昨日,正確には今日,始発に乗ってようやく帰宅したその時,彼のもとには他のメンバーからメッセージが届いた.全員がウヨンの意見に賛成していた.また,あのZ世界にいたときのように夢を追いかけてみようと.
その日はサンと共にホンジュンのサイン会に行く予定だった.「うわっ!」ある客がトマトジュースを盛大にこぼした.しかしその客は笑って冗談を言っている.我慢の限界だったウヨンが注意しようとすると,その言葉は笑い声で遮られた.
「アハハハハハハハハハ」
そこにいる全員が笑っている.サンも,ホンジュンも.
「なあウヨン,これって超笑える.ハハハハハハハハハハ」
ウヨンには全く理解ができなかったが,ガラスに映った自分の顔は笑っていた.その違和感に吐き気が込み上げた瞬間,鮮やかなルビー色の光が彼の口から溢れた.その光はしばらく漂った後,サンの口に飛び込んでいった.
サイン会の後,3人はソンファに会いに消防署へ向かった.彼はいなかったが近くの印刷工場で大規模な火災が発生し,そこに出動しているようであった.
「ギャハハハハハハ,火が消えたぞ!ハハハハハ」
印刷工場は跡形もなく燃え尽き,そこにいた人々も笑っていた.その時,ウヨンはポケットの中の紙切れに気づいた.そこにはホンジュンの本--Z世界の体験記の一節があった.それを読みながら,ウヨンはZの言葉にほんの少しでも共感している自分に気が付いた.
---『小さなエラーがひび割れとなり,ひび割れは苦痛を生む.苦痛.苦痛とは不要な感情であり,人生の負の要素だ.我々は,皆を守りたいのだ』
その言葉を口にした瞬間,ホンジュン,ソンファ,サンの笑い声がようやく止んだ.
---『自分を疑うな,あなたはいつだって正しいのだ』

- YouTube(THE WORLD EP.1 : MOVEMENT Official Trailer 1)
Zの言葉を読み上げると,彼らは混乱し,ついにソプロがサンの身体から飛び出した.そしてそのまま燃え尽きた印刷会社のオーナーへと吸込まれていった.
それまで私は私しかいない小さな宇宙に存在していた.ある日,親鳥が卵の殻にひびを入れるように,私は殻を割って新しい広大な世界へと飛び出した.この感覚は「喜び」か.すべてが新鮮で輝いていた.しかしその親鳥はすぐに私を吐き出した.
次に飛び込んだ二人目の身体では,急に混乱する感覚に襲われ,自らその肉体から離れた.そして,次は空っぽの人間へと飛びこんでみた.あの喜びを再び感じるには肉体が必要なのだ.しかし,暗い闇の海に飛び込むような感覚に襲われた.
感情が同調したのか,いや,酔っぱらったときのように強い幸福感だけが鮮明でそれ以外は何も感じられなかった.感情に飲み込まれていたメンバーたちは当時の感情をそう表現した.ウヨンは自分がこの面倒な事態に皆を巻き込んだのだと肩を落とした.しかし,ウヨンは拳を握り締めた.今は自分を憐れんでいる場合ではない.ソプルを目覚めさせたのは自分だ.この状況から抜け出す道を見つけるのも,自分の役目だ.
「うわあああああああああああああ」
周囲は笑っていた先ほどとは一変,悲しく痛ましい嗚咽へと変わっていた.印刷工場のオーナーにソプル吸い込まれ,燃え盛る自分の工場を前にした強い悲しみが伝染していると確信したウヨンは彼を探し始めた.そのとき,ガラス窓の向こうに立つヨサンを見つけた.
あの時,Z世界でヨサンが取り残されたあと,彼は感情を失ったかのようにしばらく無表情だった.7人にできることは彼の凍えた手を握り締めることだけだった.しかしその後ヨサンはそれでもあの経験をした今は成長できたんだと微笑んで言った.その言葉に彼はその痛みを乗り越えたのだと信じ込んでいた.
あの時と同じような目をしたヨサンの姿にウヨンは勢いよくガラスの扉を開き,あの時と同じように冷たい彼の手を握った.自分のぬくもりが彼に届くようにと願って.その時かつて光を失っていたヨサンの瞳に小さな光が灯るのをウヨンは感じた.そして彼と共にジョンホのスタジオへと急いだ.
ジョンホはちょうどATEEZの曲を聞いておりソプロの影響を受けずにいた.ATEEZの音楽を聴いた瞬間,激しい頭痛に襲われながらも正気に戻ったのだ.
ソプルがサンの体に入った時,特定の感情「喜び」だけが他と比べて増幅された.そして,サンから離れたときにソプロは少し大きくなっているようだった.そして,レフトアイがソプルがハラジアの息吹から生まれた精霊だと言っていたことを思い出した.ソプルは意志を持ってその肉体が持つ感情を学び,ソプル自身が感じたい感情を押し付けることができる,そして,成長しているのではないか.
そう彼らが気づいたとき,SNSの投稿が次々と消えていった.1000万人以上のフォロワーを抱えるミンギのアカウントも消えた.
[Golden Hour Part. 3]
近くのカフェでミンギとユノを見つけた.ATEEZの音楽のおかげで彼らはすぐに目覚めることができた.Z世界の記憶という共有された無意識の記憶がソプルから解放させたのだろう.
メンバーがスタジオから出ると人々は「恥ずかしい」ような感情に飲み込まれていたようだった.その感情が原因でSNSの投稿が消えていったのだろう.しかし,ミンギとユノを見つけた今,街の雰囲気は恥ずかしさに加えて逃げ出したいような衝動を纏っていた.羞恥心だ.
悲しくてたまらない.辛すぎる.私は,私が選んだ肉体に入った後,圧倒的に大きい悲しみの感覚に絶望した.深い海へと落ちるような感覚で,必死に泳ぎ続けても出口が見つからなかった.光を目指し泳ぎ続け,肉体を抜け出したそこは漢江だった.
川沿いには女と男が並んで歩いていた.ドクンドクン.遠くからでも鼓動が聞こえるようだ.すると,彼らの前に見知らぬ人が現れた.その人々は女の知り合いらしいが,恥ずかしそうに手で顔を覆いながら絡んできた.「あなただって気付かなかった.20Kg痩せたって本当??」彼らは女を恥ずかしく思っているかのように話した.
その瞬間,私の周りはゆっくりと暗くなっていった.笑顔を模した仮面をかぶった群衆が一斉に私を向いて指さした.スポットライトが当たる.彼らの中に紛れ込みたかったが逃げ場は塞がれていた.消えてしまいたい気分だ.女と共に私は男を置いて走り出した.スポットライトに二度と捕まらないように.
その時,何かにぶつかり私は倒れこんだ.別の男が女に銃のようなもの「スピリットスキャナー」を向け,私は8人の男に捕らえられた.その8人の男の中に私の"親鳥"がいた.そして彼が探しているのは私だと直感した.背の高い男が女のスマホを取り出して写真フォルダを調べ始めた.女の肉体を借りて何をしているのかと問うと,"ソプル"を追い出す方法を探しているのだという."ソプル"が私の名前なのだろうか?スマホに映るのは子犬と女が戯れる動画だった.その動画を女が目にした瞬間,感情の高ぶりと共に女は私を吐き出した.吐き出された私を取り囲む8人の男の視線に圧倒されどうにか逃げようとしたが,"親鳥"が私を踏みつけた.踏みつけられて逃げられない悲しみ以上に,"親鳥"に踏みつけられている事実が辛かった.それは恐怖,そして恨みだった.私もスマホに映る子犬のように誰かに愛されたかったのに...
"親鳥"はもう自分を捕まえられない.私はとっくに逃げ出したのだ.下へと...
平穏な日々が続いた.
あの突発的な感情の揺れは異常気象によるものだと推定された.それでもソプルが自然に消えたのか,それと消してしまったのか確信が持てない彼らの不安は消えなかった.科学では説明できない歴史や遺物について研究していた考古学専攻のユノは,ある時本を見つけた.その序文には「我々の世界の遺物を,我々の世界の論理だけで解釈できると考えることは,全くの誤りである」そう書かれていた.
この本の著者である教授に会いに行った8人は呆然と立ち尽くした.彼はレフトアイ(Z世界で出会った人物)にそっくりだったのだ.彼はA,Zの二つの世界だけでなくさらに多くの次元や宇宙の存在の可能性について話した.さらに,研究論文の古代の王の姿の写真とその首に下げられた首飾りの中央に輝く赤い宝石を指差した.それは霊的な存在である巨大な鳥から王に贈られたものであり,すべての存在の心を動かす力を持つ石として王にささげられたという.まるで"ソプル"みたいだ.そして論文には,この石の本質は子供のようなものであり,その石を所有するものは親となり,石は親の心を学ぶのだと記されていた.子供という言葉にウヨンは目を留めた.この伝説は彼らが知るソプルの性質と驚くほど一致していた.ソプルはただの物体ではなく意志を持つ存在,霊,そして子供.
ソプルはどこへ行ったのだろうか.
ソプルを調べていたヨサンが緊迫した声を上げた.
「消えたんじゃない,隠れていたんだ.」
ある映像には墓地の地面から怪物が出てくる様子がうつっていた.配信していたストリーマーが悲鳴を上げると,怒りに満ちた怪物の目が見開かれた.
そしてほどなくして,そこで争いが勃発した.
[In Your Fantasy]
クソ!クソ!
なぜこの世界はこれほどまでに残酷なの?なぜまた一人ぼっちになってしまったの?
これが私の運命なら,なぜ親鳥はわざわざ私を目覚めさせたの?もし私が目覚めず,感情を学ばなかったら,私は自分が不幸であることも知らずに静かにただ存在していただけなのに.
怒りから生まれたこのエネルギーは他の感情のどれよりも強かった.狂ったように必死に地面を掘った.もう二度と一人になりたくはない.すべての人に私のように怒りを持ってほしい.そうすればこの怒りの感情は正当化されるはずだ.
長い時間堀り進めるとしかしこの器(身体)を見つけた.この身体には感情が宿っていなかったがそれでもよかった.周りにある空っぽの身体や骨,泥,草を集めついに私は自分の身体を手に入れた.
そして私が地面から現れたとき,私の怒りは大気中に広がり,地球上の全てにその感情を感染させた.
世界中で秩序が崩壊した.人々はお互いを罵り攻撃した.世界中でテロ攻撃が発生し,弱い者たちから傷つけられ,殺された.その繰り広げられる光景はまるで新たな世界大戦が起きるかのようだった.メンバーたちはどうにかしてソプルを止め,怒りの渦を消し去る方法を考えた.
彼らのアイデアは,多くの人とリンクするものを見つけ,SNSを電波塔のように使って一斉に人々へ流すというものだった.
ジョンホ「多くの人が一度は聞いたことのある曲を知っているよ」
ジョンホはそう言うと,ピアノを弾き始めた.それはよく知られたメロディーだった.
"Let it be, Let it be, Let it be......"
彼らはドミノの最初のピースとして動き始めた.音楽はしばしば人々に懐かしい記憶を思い起こす.その音楽を世界中に流し始めると,一人一人と怒りの昏睡状態から目覚め始めた.そして人々は互いに助け合い始めた.美しい光景だった.
そして,ソンファの消防車とサンのフードトラックと共に,メンバーたちは例の古い墓地へと向かった.ついに巨大なフランケンシュタインのような怪物と対面し,攻撃を開始する.その瞬間,ようやく「それ」は彼らの存在に気づいた.
「それ」は目のようなもので彼らを一人ひとり観察すると,その視線はウヨンにくぎ付けになった.
「ア.........母鳥..........」
[Golden Hour: Part 4]
8. 時間軸と彼らの行動

8人それぞれの視点から時系列で物語を追うと,A世界とZ世界を幾度も往復しながら,彼らがどれほど長く険しい旅路を歩んできたのかが浮かび上がります.
波乱に満ちたZ世界での冒険を終え,ついに大団円を迎えるかと思われた今,物語は再び動き出しました.
画像下方に示しているのがこれまで物語を語ってきたDiaryたちです.
outro. BAD
遠くに聞こえるZ世界でのあの声.
ソプルによって感情を支配された人々を救おうと奔走する8人の姿は,
どうしてもZに支配された人々を必死に目覚めさせようとしていた,
あのZ世界でのATEEZの姿に重なります.
「あなたは自らをいつも 疑ってください」
その声は,誰なのでしょうか?
この感情は,正常なのでしょうか?






























