Treasure EP FIN: All to Action
WONDERLAND
ateezの本気がこれか.すごい.
キャッチーな曲調,いかにもタイトル曲ではあるのだけれど,
あまりにも暗く,怖く,不穏.
彼らの身体全体を使った力強いパフォーマンスが,壮大な曲調とかけ合わさって,文句なしの完成度と満足感.
曲の幕開けとともに
"지도가 부르는 곳 그 섬은 곧
地図が呼ぶ場所 その島はつまり
만인의 꿈이자 겁
万人の夢であり恐怖
끝에 꿈꾸는 시작 날개를 펴고
終わりに夢見る始まり 翼広げて
영원히 철없게 like Peter"
永遠に分別なく
というホンジュンさんの歌詞.なんという歌詞.
今までのMVの各部屋,各場所はその島であり,彼らは呼びよせられたどり着いていたのか.
ダークサイドのコンセプトに戻ってきたということで,今作は「黒旗」が印象的である.
(この階段,映画インセプションの雰囲気で好き.インセプション..........)
黒い旗の持つ意味として,アナキズムの象徴というものがある.
一切の権威,特に国家の権威を否定して,諸個人の自由を重視し,その自由な諸個人の合意のみを基礎にする社会を目指そうとする政治思想。
出典:ブリタニカ国際大百科事典
この項目について,知識が全然ないので,また学んでからコメントしたい.
が,関係あるのではないかと感じずにはいられない.
旗を振るロボット(アーム)は機械制御され自動で旗を振っている.また,楽隊も多く登場したが,一度も個人プレイなく「楽隊」として足踏みをし演奏している.また,最後曲が終わっても楽隊は足踏みを続け,ateezだけが歩みを止めている.
ロボットや楽隊は,アナキズムの根底にある「個人の至高性」「自我を抑止するものの廃止」に対立する,自我が抑制されキカイ化した個人を表しているのではないか.
歩みを止めたateez(黒)はアナキズム側にあるのではないか.
また,アナキズムを象徴するものとして,〇の中にAが入ったマークがある
そして
...........
きっと彼らの世界観の根底にはこれがあることを刻んでおかないと.
次に,もう一つ気になる歌詞を.
"자 열린다 진실의 문 그 앞에서
さあ開く 真実の扉の前で
부숴버릴 듯이"
壊してしまうように
よく聞く"Breaking the wall”の壁とはきっとこの真実の扉(真実を覆い隠す扉)のことだろう.以前書いた考察にて引用した部分について,
映画マトリックスでは赤い薬と青い薬を用意され,
"This is your last chance. After this, there is no turning back. You take the blue pill - the story ends, you wake up in your bed and believe whatever you want to believe. You take the red pill - you stay in Wonderland and I show you how deep the rabbit-hole goes."
これは最後のチャンスだ.もう戻れない.青い薬を飲めば,物語は終わりベッドの上で目を覚ます.赤い薬を飲めば,wonderlandに留まり,ウサギの穴の奥底を見せてあげよう
後にこの曲があると知っていたので色を付けいていたが,Wonderlandの文字列があると気づくだろう.
そして文脈は,wonderland=赤い薬を飲んだ後に行く真実の世界 である.
映画を見た方ならわかると思うが,その世界は常識を覆されるものだ.まるでパラダイムシフト.paradigm.
この世界観と楽曲wonderlandの世界観,共通点があると思うのは私だけではないはず.
真実とは,アナキズムなのか,何なのか.
分からないことメモ
・たくさん出てくる火.マッチの火,燃え盛る火,saymynameの焼け焦げた絵画
・HALAHALAっぽい衣装
また,途中明らかにHALAHALAだろというひとたち(バックダンサー)が出てきて怖い.世界観がずっと続いているMVシリーズ,いかにも不穏で怖くて楽しい.
彼らはどこから来たのか,何者なのか,どこへ行くのか,
Treasure EPILOGUE: Action To Answer
Answer
この曲とっても好きなんですよね.........
決してアップテンポではないが,一つ一つのリズムがどっしりとして存在感があり,
気づけば終盤にいる.
"아무것도 없는 사막 그곳에서 출발한 우리 시작"
何もない砂漠から始まった
何もない砂漠から始まったよね.
デビューしてから1シリーズ(Treasure)でこんなに壮大な世界に触れるとは思わなかった.
"모여 다음 앞에서"
集え,次を前にして
またどこかへ向かうのか.
"우리가 보이는가"
僕らが見えるか
俯瞰している誰かに向かってずっと叫び続けているateez.
届くべき人に,その声が届くよう.
当たり前のように出てくるHALAHALAくんたち.
Say My Nameに引き続き,ノーマルateezと対峙する.
Say My Name時との違い,「HALAHALAくんがateezを見つめる意思があること」「HALAHALAくんマスクしていない」「接触」.なんか好転していそう.
次に,「青い」「蝶」with ウヨン
蝶は幼虫から完全変態し成虫となる過程があり,輪廻転生や復活の象徴であるらしい.
青は前の記事で書いた気がするが,本シリーズでは「やばい赤」の対比で「トゥルーエンドの青」ではないかと思っている.少なくとも,HALAHALAでウヨンを中心に赤くなった(倒れた)のを思い出すと,この青い蝶がウヨンに止まったのは,あの時よりもいい方向に進んでいる状態だと信じたい.
そして....こいつ.
またなんか出てきた.........
(この時の私は,こいつが何なのか,まだ知らない..............)
(この音楽,Sector 1よね.)
treasure,まだ終わった気がしない
fin.
右にあるお花,石膏像........これ最近どこかで...........
↑2022/11/30発売日本ミニアルバムの画像
もしかしてまだ繋がっていたりするのかも
編集後記
旗を振るロボット,ホンダのCMとかにありそうなおしゃれな映像で個人的にとっても好きです.
そういえば,kingdomでハマり始めた人なのですが,あの伝説のwonderlandステージ見たときの衝撃が忘れられないのです.当時は船とタコにびっくりし,怖めの漁師のお話かなー編曲もダンスもかっこいいなぐらいの感情でしたが,今となっては,クローマー,HALAHALAくん,炎と波........とんでもないですわ.
観てない人は見てみよう.何度も見た人は,もう一度見られるようにおいておきます.
最近feverのこれまたすごい世界に足を踏み入れ,これを考えているときに仮定していた世界線がはらはらと壊れていくような感じがしていたので,書き続けるか迷っていましたが,こんな思考回路しているんだなーと客観的に見てみるエンタメとして備忘録残しておこうかなと思います.もう,この裏切りやどんどんできていく(明らかになっていく)世界観に動かされる感情が,とっても面白く,楽しく,こわいですね.